粉ミルクから豆まで、中国の食の安全が崩壊状態

From Milk to Peas, a Chinese Food-Safety Mess
粉ミルクから豆まで、中国の食の安全が崩壊状態

単語・イディオム
laced with:「混入している」
relaxation:「(規制などの)緩和」
welter of:「寄せ集めの」

要約
中国で市販されている乳児用粉ミルクから水銀が検出され、メーカーが自主回収に踏み切るというショッキングな事件が話題を呼んでいるが、中国国内ではこのほかにも食の安全に関するスキャンダルが頻発している。食品油が下水交じりの状態でドブから回収されて再利用されていたケースや、干からびた豆を漂白剤に漬けて着色した「人工グリーンピース」、細菌に汚染されているために暗闇で光る肉まんなどの例が後を絶たない。最近では、食の安全に関するインターネット検索が検閲対象になっているとの報告もある。また、これらのスキャンダルの影響で乳製品メーカーを中心に株価が下落し、ヨーロッパ等の投資家にとっては絶好の投資機会となっている。混迷を極める事態を前に中国政府は対策に追われているが、互いに相反する規制が入り乱れているため、改善につながらないのが実情だ。(NY在住の翻訳家、横島智子)

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コメント
このほかにもいくつかの例が挙げられていて、かなり衝撃的です。人工グリーンピースなどいくつかの例については過去記事へのリンクが張ってあり、それぞれ詳しく読むことができます。

あなたの明日を変える、32の発明

32 Innovations That Will Change Your Tomorrow
あなたの明日を変える、32の発明

単語・イディオム
housebroken:「(犬が)トイレのしつけができている」

要約
1800年代初頭に発明された白熱電球は、約80年もの時間を経てエジソンの手によって実用化された。その間は、どうにも煮え切らないいわば「失敗作」の発明品として扱われてきたのだ。その後、発電による利潤が安定し、白熱電球が当たり前に使われるようになるまでにはさらに40年がかかっている。我々は勘違いしがちだが、革命的な発見というものは最初から成功するわけではないし、永久に成功するわけでもない。必要とされるものは変わり続ける。白熱電球も、LED電球等の台頭(LEDもまたかつては失敗作扱いだったが)によって再び失敗作の座に落ちようとしている。革命的な発明というのは、かくして、すべて幾何かは失敗作であり、瑣末で煮え切らないものだ。雑然としたそれらの失敗作たちが、新しい未来を作っていく。
(NY在住の翻訳家、横島智子)

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コメント
New York Times Magazine特別号から。要約は巻頭の編集長によるコメントをまとめました。本記事では、2~4年で完成する予定の「革新的な」(しかし風変わりな)発明品が32件紹介されています。そのひとつが「電気布」で、身体の各部の体温差を利用して発電できる布地だそうです。この布地を使った携帯電話ケースをお尻のポケットに入れておけば、8時間で約15%充電可能とか。その他、欝がわかる血液検査や、食べられるヨーグルト容器など、想像力が刺激される次世代の発明品が並んでいます。

「ゴシップに利点」研究が示す

Studies Find That Gossip Isn’t Just Loose Talk
「ゴシップに利点」研究が示す

単語・イディオム
keep – in line:「~の秩序を保つ」
tattle:「告げ口する」
go a long way:「大きな効果がある、影響がある」

要約
ほとんどの人が、誰かの悪口や噂話に参加して後ろめたい思いをした覚えがあるはずだ。だが近年、社会学や発達心理学の研究結果として、特に集団の規律と秩序を守るうえでゴシップに利点があることが指摘されている。そのひとつが、ネガティブな噂話によってグループ内の要注意人物の情報共有ができ、非常識な行いの被害を受ける人が減る、というもの。あるいは、噂をたてられることへの恐怖が不正な行いを抑止する、という研究結果も出ている。代表的な研究を執筆した社会学者のDr.Hallett氏は、ゴシップの持つネガティブな側面を認めたうえでこう語る。「企業などの団体の中で、ゴシップを禁止することはお勧めしません。大切なのはゴシップの仕組みを知り、助けになるゴシップと悪意しかないゴシップを見分けて管理できるようになることです」(NY在住の翻訳家、横島智子)

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コメント
人気のあった記事です。ふつうはネガティブとしか思えないゴシップですが、罪悪感や不安などの「臭いもの」に蓋をせず、分析して研究して仕組みを知れば、自分たちの役に立てることすらできる、という発想がなんともアメリカらしいと感じます。

東京で再稼動に反対する大規模な抗議活動

In Tokyo, Thousands Protest the Restarting of a Nuclear Power Plant
東京で再稼動に反対する大規模な抗議活動

単語・イディオム
take to the street:「通りに出て抗議活動をする、デモをする」

要約
大飯原発の再稼動が目前に迫った6月29日、東京の首相官邸前はスローガンを叫び、太鼓を叩いて抗議する市民で溢れかえった。参加者の数は発表媒体によって大きな開きがあるが、主催者側は15万人と伝えている。このような規模の抗議活動が東京で行われるのは、長年にわたって政治的無関心が蔓延する日本では異例のことだ。しかし、フクシマのメルトダウン以降、政府権力に対する日本人の不信感は日に日に高まっており、多くの人が今回の再稼動への決定は国民の不安を無視する行為だ感じ、憤りを募らせている。野田首相は今回の決定を夏の電力需要ピークに向けて停電を防ぐための処置だとしているが、世論調査によると3分の2の国民は再稼動に反対しており、専門家の多くは国民の反発は今後ますます強まるだろうと警告している。(NY在住の翻訳家、横島智子)

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コメント
「大きな音だね」という野田首相のコメントが”They are making lots of noise”と訳されているのが印象的です。逆訳すると、「うるさいやつらだ」という感じでしょうか。英語だけで読んだ人は、独裁者の台詞のような印象を持つのでは。

ある判事の願い:医療大麻を合法に

A Judge’s Plea for Pot ある判事の願い:医療大麻を合法に

単語・イディオム
pot: 大麻を意味する隠語
pancreatic cancer:「脾臓癌」
palliative care:「苦痛緩和治療」
nausea:「吐き気」
ammunition:「対策、手段」

要約
現役のNY州判事である筆者は3年半前に脾臓癌で余命6か月を宣告され、現在も化学療法や放射線療法など大きな苦痛をともなう治療を受け続けている。薬の副作用による食欲不振と不眠は癌患者が苦しむ典型的な症状のひとつだが、筆者は自らの経験から、大麻吸引がこれをもっとも効果的に和らげ、闘病に必要な体力を回復する助けになると主張する。NY州での医療用大麻使用が合法化されていない段階で大麻吸引を公にすることに対しては、友人らからも反対の声が上がった。だが筆者は、苦痛緩和効果が証明されているにも関わらず医療用大麻を禁止し続けるのは人権上の問題であると考え、今後同じ病気になる人々のためにも自分こそが声を上げるべきだと判断した。筆者は、全米の16州に続き、NY州が今年中に医療大麻合法化の法案を可決することを強く望んでいる。(NY在住の翻訳家、横島智子)

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コメント
医療用大麻をめぐる議論は、先月おとなりのコネチカット州で合法化されたこともあり、急激に活発になっている印象です。中でも現役判事による意見記事ということで、特に大きな注目を集めた記事でした。

海原純子のコメント
大麻だけでなくその使い方、量が適切に行われないと問題なものはたくさんあります。その使用基準をどうするか、疾患、年齢、状況を見てその使い方がメリットになるか、否かの議論が必要でしょう。それを判断できるだけのevidenceが必要不可欠と感じました、ただしこうしたタブ―内容のコメントが掲載される新聞があるのはすごいですよね。

複数形の間違い

Problems in the Plural 複数形の間違い

単語・イディオム
irk:「苛立たせる」
relative clause:「関係詞節」
pronoun:「代名詞」
antecedent:「先行詞」

要約
最近のNY Times記事から、主に複数形の名詞と動詞の一致に関する文法エラーを紹介。よく見られるのは、”one of the thigs that irk me”とすべきところを”one of the things that irks me”としてしまう誤り。その他、”neither A nor B”という主語を複数扱いにしている文章も見られた(本来は単数として扱う)。(NY在住の翻訳家、横島智子)

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コメント
脱稿後(After the Deadline)のNYTimes記事から見つかった文法の間違いを取り上げて、英語文法を解説するという、たいへん合理的(開き直り?)なコーナーです。ネイティブのライターでも意外と初歩的なミスをしていることに驚かされます。後半では文法ミス以外にも、悪文をいくつかピックアップして批評していて、英語で文章を書きたい人にとってはこのコーナーを読むだけでも非常に良いトレーニングになると思います。