今年は大変な1年でした。
みなさま、年末はいかがお過ごしでしょうか?

年明け2021年1月2日午後2時半から3時半までラジオNIKKEI「テイスト・オブ・ジャズ」新春特番を放送します。
普段は人気パーソナリティー・山本郁さんの進行でお送りしていますが、この日は私の企画・進行でお送りいたします。

テーマは「心を癒すジャズ」。
ジャズを聴くのはどんな時ですか?疲れたときはどんな曲を聴きますか?
という先日のアンケートにたくさんのお返事をいただきました。
ありがとうございました。

そのなかからいくつかのエピソードをご紹介します。
ご紹介しきれないエピソードは今後の小噺の夕べでご紹介していきたいと思います。

さて、ジャズミュージシャンは疲れたときどんなことをしてるんだろう、
という普段はちょっと聞きにくい問いかけにそれぞれとても個性的な回答を若井優也さん、海野俊輔さん、土田晴信さん、山本剛さん、大隅寿男さんから伺いました。
NY在住20年のジャズレコード買い付けの仕事を経て神保町でジャズカフェを開店した夫と共に店を切り盛りするアディロンダックカフェの聖子ママも登場します。

さらに直木賞作家で今年は映画「ホテルローヤル」の公開が話題の桜木紫乃さんがオンラインでジャズとのかかわりなどをお話ししてくれます。数年前からサックスを演奏しているそうですよ。

盛りだくさんな内容でジャズの専門番組ではなく、ジャズ・バラエティという感じですから、ゆる~いかんじでお聴きいただければと思います。
でもね、難しい顔して「ジャズがわかるとかわかんない」とか言いながら聴くのではないジャズの世界もいいんじゃないかと思ってます。

さて今日お送りする“You must believe in Spring”は厳しい冬のあとには春が、というご存じルグランの曲なのですが、私はこの曲の歌詞のトーンと曲調のマイナーさをどうとらえるか、いつも疑問に感じてきました。

今月発売のJAZZ JAPANでこの曲の解説を取り上げたのですが、この曲を単純に「明けない夜はない」とか「冬のあとには必ず春が来る」というように歌うのはどうしても納得がいかないできました。

なぜなら自然の営みは、夜のあとには必ず朝がきても、私たち生き物は命があり限りがあります。昨日まで一緒にいた愛する人が、翌日にはもう会えない人になることもあるのです。

私はそうした方たちと多くかかわってきたのですが、とても「明けない夜はない」などと慰めることはできません。

そうした人にとっては、春は来ても同じ春はもう2度と来ないのです。この曲はそんな中でも、たとえ同じ春は来なくても、違う春を受け入れながら生きるしかない人達への愛と共感の歌のように思えるのです。

今回最初のワンコーラスのルバートのテンポをおそろしくゆっくりにしてそうした喪失を共感し表現したいと思いました。(そう思ってるだけで十分に表現できてるかどうか。。笑)

来年、これまでとは違う春でも、前を向いて進むしかない私たちですが、ささやかなこうしたジャズのつながりを拡げていきたいな、と思っています。

いろんなテーマは常時お待ちしています。

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■You must believe in Spring