Aさんの息子は今年4月、実家から離れた大学に入学。大学の近くで一人暮らしを始めた。
 これまで全く家事をしたことがなかったのでAさんは心配していたが、半年が過ぎたら息子はすっかり自立しており、驚いたそうである。

 ワンルームの小さな台所で野菜の煮物を作り、洗濯をしてきちんと干し、アイロンまでかけるという。これまで栄養のバランスなど考えたこともなかったの、バランスのよい食事をとるようにもなったそうだ。「誰もやってくれないと、案外自分でやるものなんですね」とAさんは言う。

 ボストンにも多くの日本人学生がいるが、男子学生でも家事をきちんとできる人が多い。アパートでみな食事をしたら、自分の使った食器を流しに運び、さっさと洗っている姿を見かけた。一人暮らしをしているうちに、男性でも自分のことは自分でできるようになるようだ。過保護にしすぎないことは家事にも好影響を与えるらしい。

 ところで、ボストンで暮らし始めて気づくのは、仕事と家事の両立が日本より楽だということである。なぜだろうと点検してみると、食材、とくに野菜が調理しやすいようにして売られているのが一因だった。

 東京で野菜の煮物を作ろうとすると、一種類ずつ野菜を買い皮をむくという作業が必要だが、ボストンのスーパーには少量ずつすぐ調理できる状態で各種の野菜が置かれ便利なのだ。またサラダバーが充実していて、日替わりでサラダや前菜が購入できるのも助かる。スーパーには男性も食材を買い出しにきている。「男性でも家事に参加しやすい」食材が多いのである。

 コンイランドリーの乾燥機も約1時間でふんわり仕上がり、洗たく物を干す必要がない。男性が家事に参加するのは意識の問題だけではなく、特別な技術がなくても家事ができるシステムにも一因がありそうだ。

2008.10.26.sun