いい夢を見た朝は気分がよく、その日一日、何かいいことがありそうな気がする。逆に、怖い夢を見ると嫌なことが起こるのではないかと心配になったりする。夢が一日の生活の質に与える影響は、かなり大である。ならば、なるべくいい夢をみたいものだが、それにはどうすればいいだろう。

夢は、個人の無意識の産物だ。自分が普段気づかない、無意識の中に隠されている感情や願望が夢に表れる。だからこそ、夢分析などの研究がされるようになったわけである。

ところで、最近の心理学ブームで、夢に過剰反応する人がいるのが気になる。いやな夢によって、「予期不安」状態を引き起こすのである。

資格試験で失敗する夢を見たAさん。夢には予知能力があるから現実の試験でうまくいかないかも、とすっかり落ち込み、数日間、勉強する気力を失ってしまったという。こんな夢を見たときは、自分の心が試験に対する不安でいっぱいだと気づき、十分な準備をして不安を取ろう、と気持ちを転換することが大切だ。普段から不安な気持ちを一人で抱え込まず、親しい人に話しておくなども必要だろう。

夢は心のサイン。いやな夢を見たときは、内容にとらわれるより、夢の背景にある不安に気づき、それを軽くすることが効用となる。逆にいい夢を見るためには、心の奥の不安や憎しみや怒りに気づき、それを掃除することが必要だが、なかなか難しい。

せめて、眠る前30分はいい気分やポジティブな思考回路に切り換え、テレビやパソコンをオフにする習慣をつけてはどうだろう。眠る前30分の出来事は、夢に影響を与えるそうである。またこの季節、乾燥で鼻粘膜が乾き呼吸が苦しくなるといやな夢を見たりするので、寝室の環境にも留意したい。

受験のシーズン、夢のサインに気づいて乗り切ってください。