流れ星がきれいな夜があった。流れ星を見た時に願いごとをすると、その願いがかなうなどとされるが、あなたならどんな願いごとをしますか?

 何を願うかは、その人の心のバロメーターである。今日の食事に困っている人は食べ物を願うだろうし、中東のように緊張の連続のなかで過ごす人々は安全な住まいを、受験を控えた学生は合格を願う。

 心理学者のマズローは、人間の欲求を6段階にわけている。第1が「生理的欲求」。食べ物や睡眠などの欲求で、これが満足すると次に「安全欲求」がおこる。安全な場所で暮らしたいという欲求だ。第3の欲求は「愛と所属の欲求」。愛する人と家庭を持ちたいという欲求である。第4は「社会承認欲求」であり、社会の中で認められ、自分の場をもちたいという欲求がおこる。

 そして、これらが満たされると「自己実現願望」、自分らしい固有の人生を生きたいという願望が生じ、更にこれが「自己超越願望」、つまり自分らしく生きることが他の人々にも幸せであるような人生を生きたいと思う望みが生まれるという。

 流れ星を見た時に願うことは、その人の社会的、経済的環境と心のあり方を映し出す。戦後日本は一億総中流といわれ、衣食住がほぼ満たされて、人々が自分らしい人生を生きたいと望めるまでに経済成長を遂げてきた。

 しかし、今また、生活に不安を感じる人が増えつつある。流れ星を見た時、「地球上に暮らす人々と生き物が平和に暮らせるように」と願える人は今、どのくらいいるだろうか。自分が幸せになることだけで頭がいっぱいの人が増えると、世の中はすさんでくる。

 自分自身の衣食住に不安をかかえていると、他人を思いやるゆとりは生まれない。「みんなが幸せになれますように」と願いごとができる人が増えるよう、新政権は人々の生活への不安を軽くしてほしいと思う。