エドワード・ケネディ上院議員が亡くなって約2ヶ月。本屋の店頭には議員に関連する著作コーナーができてその人望がうかがわれる。そんな折、出版された回顧本の紹介をかねて2人の息子がテレビでインタビューをうけていた。

 そしてケネディ議員の人柄をきかれて「父はとにかくオプティミスト(楽天家)でした。あんなに前向きにものごとをとらえられる人を私は知らない」と語っていたのが印象的だった。脳腫瘍の治療をうけたあともケネディ議員は、「自分はまだできることが何かある。何ができるだろうか」と語っていたそうだ。

 そのインタビューをみていてたまたま前日読んでいた文献を思い出した。オプティミズム(楽天主義)と疾患との関わりについて調査したその論文によると、冠動脈疾患は、楽天的な人ほどかかりにくい、という。そのなかで、楽天主義の指標となっている目安に、「自分はまだやること、やりたいことがたくさんある」「時はゆっくり過ぎていると感じる」というものがあった。

 この指標、なかなか興味深い。あなたはいかがですか? 通常、「やりたいことがいっぱいある」と「時間に追われてゆとりがない」と感じるものだし、反対に「何もやりたいことがない」と「時がなかなか過ぎずどうやって一日を過ごそうか」ともてあましてしまうもの。やりたいことがあるのに、ゆっくりと時を過ごせるなんてよほど前向きでないと難しい。

 感じ方というのはその人の個性だから無理にオプティミストになろうとしてもストレスになるだけ。むしろ、もし自分が楽天的でないなら、「私が落ち込むのは、楽天的でないたちだからだ」という客観的なとらえ方をすると深刻さに向き合う気分にワンクッション幅ができるように思う。もうひとつ、「しなくちゃいけない」という言葉を「これをしよう」というふうに意識を変えることも大切だろう。

千葉の講演会、担当の方が感動して泣いてくれました、ありがとう。