The Joy of Quiet
沈黙の喜び

単語・イディオム
ahead of the curve:「時代の最先端に」
rat race:「競争社会」
snippet:「切れ端」
sabbath:「安息日」
asceticism:「禁欲主義」

要約
アメリカ人がインターネットに費やす時間は、1日平均8時間半と言われている。とめどなくスピードを増す現代人の生活のなかで、関心の最先端は情報の多さや速さではなく、「静けさ」に移りつつある。人々は、崖の上の高級ホテルや、1日のうち一定時間インターネットに接続できなくするソフトウェアにお金を費やすようになってきた。無宗教でありながらヨガや瞑想を習慣にする人が増えているのも、その兆候の表れだろう。フランスの哲学者パスカルは、17世紀にすでに「人間の問題はすべて、私たちが部屋の中にひとりきりでじっと座っていられないということからきている」と述べている。コミュニケーション手段が増えるに従って、語るべきことは減っていくようだ。情報技術は我々の生活を明るく便利にはしてくれるが、技術そのものの賢い使い方を教えてくれはしない。次世代の子供たちは、最新情報を探し当てるスキルではなく、自分たちに本当に必要なものを察知する能力において、私たちよりも大きく先を行くことになるだろう。 (NY在住の翻訳家、横島智子)

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とても人気の高かった記事です。新年ということもあってか、1月のNY Timesには「デジタルからの休息」を提案する記事が多く見られました。この記事の著者は、安らかな生活のためにマンハッタンから日本の田舎に引っ越したそうです。