The Unwisdom of Elites エリートの愚かさ(記事はこちらをクリック)

coming apart at the seams “seams”は縫い目のこと。内側からバラバラになる、破綻する。

with growing frequency より頻繁に

self-appointed 自称。appoint は「任命する」という意味の動詞なので、「自分で自分を任命する」といった感じ。

self-serving  利己的な、自分勝手な

runaway financial sector 暴走する金融セクター

要約:

過去3年に渡って欧米諸国を苦しめている不況。最近、その原因を大衆の欲深さ、愚かさに見出す論調をよく耳にするが、それは完全に誤りだ。この不況は、ごく少数のエリートたちが犯した3つの失敗によるものだ。一つ目はブッシュ政権による減税。ブッシュは国民の声に応えずに、共和党のイデオロギーのためだけに減税を行ってマイノリティーを苦しめた。2つ目はイラクとアフガニスタンの戦争。政府はいかにも国民が侵略を支持しているかのように見せかけたが、実際はブッシュと一部の政府関係者だけが望んだことだった。3つ目が、金融危機。原因は国民の強欲さではなく、金融業界に強いコネクションを持つ一部の有力な政府関係者が規制緩和を実行したことにある。エリートたちは、大衆を責めることで自らの責任を逃れようとしている。そして何より、責任転嫁の最大のリスクは、過去の失敗から学ぶ貴重な機会を失ってしまうことにある。 (NY在住の翻訳家、横島智子)

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self-appointed, self-servingといったイディオムが続けて登場して、「自分勝手で独善的なエリート」という印象が浮かび上がってきます。
ほかにも、”dead wrong”(大間違い)”elites are ducking some much-needed reflection on their own catastrophic mistakes”(エリートたちは、自分たちが引き起こした破滅的な過ちへの反省から目をそらしている)など強い語調が目に付きます。
電子版NYTでは、2日ほどに渡ってこの記事が”Most Emailed”ランキングのトップでした。
長引く不況に対する国民の怒りと不満がうかがえます。