海原純子の医学講座

 顔色が青い、不健康というとき、鉄分をしっかりとると、バラ色の頼になることができます。
 女性は毎月の生理で鉄分を失いますが、きちんと補給しておかないと鉄欠乏症貧血になりやすいのです。また、

●過激なダイエットをする人
●1カ月に4キロ以上体重が減った人
●生理が不規則で頻発月経の人
●生理の量が多い人
●激しい運動のトレーニングをしている人
●夏場に汗をかいたあと

 なども貧血になりやすいのです。汗からも鉄分は排泄されています。
 貧血というと、白っぽい肌、というイメージがありますが、それは大間違い。
 鉄欠乏性貧血は、かつて「萎黄病(イオウ病)」という別名があったくらいで、肌が黄みがかり、青黄色い色になってしまうのです。

 加えて、貧血によって、血液中のヘモグロビンという血色素が減少し、体内に入った酸素は、血色素と結合して、全身の組織に運ばれますから、貧血になると組織が酸素欠乏状態に陥って心臓に負担がかかり、ちょっと動くとすぐ動悸がしたり、息切れがして、がんばりのきかない体になってしまいます。 いくらコントロールカラーを使っても顔色が悪く、化粧のノリも悪い、というわけで、赤ちゃんのバラ色の頼に近づきたいときは貧血予防で鉄分を補給しましょう。

 鉄分というと、すぐ頭に浮かぶのはほうれん草ですが、実は鉄分は胃から吸収しにくい栄養素なのです。
 食べた鉄分の約1割くらいしか吸収されません。

 しかも、肉と野菜を比べると、肉の鉄分より野菜の鉄分は吸収しつらく、大量に野菜をとると、食物繊維の作用で逆に鉄分が吸収される量が少なくなってしまいます。

 ですから、鉄分を効率よくとるには、私はやはり肉がよいと思います。
 生理のあと、
 スポーツをがんばったとき、
 などには肉の煮込みが最適。
 私はカレー用の牛もも肉を400グラムほど使って、赤ワインにローズマリー、タマネギ4個を加えて4〜5時間煮込みます。

 もも肉は、ほとんど脂がないので、ダイエットにも適していますし、400グラムの肉を2〜3日かけて食べておくと、満腹感もあり、胃にも負担が軽く、鉄分が補給できます。
 自分でつくるのが面倒、というときは、
「牛肉の赤ワイン煮込み」
のメニューがあるレストランでどうぞ。
 牛ほほ肉ですと、コラーゲンもたっぷりです。赤ワインのポリフェノールは抗ストレス作用があるので皮膚の老化防止にも役立ちます。