海原純子の医学講座

 冷房の中で長時間じっとしたとき、仕事ですわりっぱなしの夜、全身の血液循環が悪くなったときに急いでリフレッシュするには、
 足浴(あしよく)
 が一番です。

 もちろん、冬の寒い日、外出から帰ったときにもおすすめ。歩きすぎで足が痛いときにも、
 とりあえず足浴
 をおすすめします。

「冷えちゃったわね」
 とよく言いますが、西洋近代医学には「冷え症」という病気はありません。 しかし、東洋医学や整体、オステオパシーなど、いわゆる代替医療の専門家たちは「冷え」を重要なポイントにしています。

「冷え」が近代医学で説明のつかない症状の引き金になっていることは、確かではないか、と私は思っています。

 冷えがどんな症状を引き起こすか、というと、たとえば急性の「冷え」は、
●頭痛
●肩こり、首の痛み
●腰痛
●足の痛み、だるさ、むくみ
●急にお腹がすく
●胃の痛み
 などを引き起こします。

 冷えで急に空腹を感じて、過食になってしまうこともあるのです。
 慢性的に冷えた場合は、
●生理不順
●不眠
●イライラしたり元気が出ない
●全身倦怠
 などを引き起こします。

 こうしたさまざまな症状の引き金となる「冷え」を予防したり、あるいは冷えてしまったあとに、「足浴タイム」をつくってみては?


用意するもの

●足首までつかるくらいのバケツ
 私は友人のリフレクソロジストから足浴用のバケツを購入しています。
 足浴にちょうどいい深さのバケツを100円ショップなどで探してみるのも手ですが、230種類ものブリキ製バケツを揃えている「OBAKETSU」というシリーズの11番M8Lや30番K10は、とくに足浴をする人に人気が高いそうです。

 ちょっと高いですが、ヒーターや振動マッサージ機能が付いた専用の足浴器(フットパス)なら、家電店等で手に入ります。泡が出るタイプ、ジェット気流で足の角質を落とすタイプ、オゾンの力で消臭効果のあるタイプなどいろいろ出ていますから、お好みでどうぞ。


方法

ステップ1 足浴用バケツに足首までつかるくらいの少し熟めのお湯を入れる。
    2 両足を8分間つける足浴用バケツがないときは、おフロに足首がつかる程度のお湯を入れておフロのふちにすわって8分間でもよい。 旅先などで緊急に足を温めたい場合、少し熟めのシャワーを足先にかけるのでも可。


上級編

(1) 足浴用バケツにバスソルトを入れるとむくみ対策となる
 バスソルトはオリゴメール(ヒヨキ TEL03−320610551)などがよい。
 私は沖縄宮古島の雪塩(パラダイスプラン TEL0120−408385)などを使用しています。
(2) 目的別に足浴用バケツにエッセンシャルオイルを加える
●スッキリしたいとき
 ローズマリーのエッセンシャルオイルを2〜3滴、先述の塩に混ぜて入れる と、ローズマリーに含まれる1.8-シネオール成分の効果で血液循環がよくなり、むくみがとれます。
●リラックスしたいとき、イライラしたとき
 ラベンダーのエッセンシャルオイルと同様にバスソルトに2〜3滴加えて入 れる。ラベンダーに含まれるリナロール成分によってリラックス効果が期待できます。


足浴の応用テクニック

(1) イライラして過食傾向にあるとき
 足浴バケツにイランイランを1滴バスソルトに混ぜて足浴
 とくに何か満たされない気分でつまみ食いをしたくなるとき、足先を温めると空腹感が消失します。
(2) 不眠のとき、寝つきをよくしたいとき
 足先が冷えると不眠の引き金になります。
 ベッドに入る前にラベンダー入り足浴8分間で足元が温まると、リラックスして寝つきをよくしてくれます。