海原純子の医学講座

 仕事でカンヅメ状態が続いたとき、私は、
「一日だけローマの休日」
なんていうことをして脳を休めます。
といっても、ローマに行く物理的時間はないので、
「ローマに行かなくても、気分は『ローマの休日』」
なのです。

 ミラノでもパリでもない、なぜローマの休日かというと、気取らずショツピングをするわけでなく、ただのんびり楽しもうという一日なわけです。
 予定は立てないし、予約もしないから、高級レストランにおしゃれして行くのではなく、食べたいな、と思ったときに出かけて、昼間からシャンパンでも飲んで、「体」がこうしたい、と思うことに従って一日を過ごします。
 「体」が何か映画でも観たいモードならそれに従い、散歩したければそうする、という一日です。

 私たちは普段左脳優先で生活をしていて、私もむろんそうですが、仕事では「予定」に従ってものを考えて、客観的に冷静に行動しています。
 左脳はものを計算し、分析し、合理的に進める作業をしていますが、一方で感情や感覚的な脳である右脳は、日常生活では抑圧されていることが多いのです。よほどクリエイティブな仕事……、デザイナーやアーティストなら別ですが……。

 左脳優先の生活をしていると、感情が抑圧され、いつの間にか気分が落ち込んだりしてしまうことがあります。そこで、右脳を活性化するために、感情を優先し、

ふと気が向いて
ふとしてみたい

ことを予定を立てずにする。それがローマの休日というわけです。
 何をしていいかわからないという人は、自分の好きなお楽しみリストをつくっておいて、今日はこのメニューにしようかなあ、などと決めるのもいいでしょう。
 あなたの心がウキウキすることを30個、ノートに書き出してみてください。
たとえば、
●CDショップに行く
●おいしいものを食べる
●カフェに行く
●ネコと遊ぶ
●植物を植える
●花屋さんに行く
●アロママッサージに行く
●絵を措く
●ライブに行く
などなど。

 楽しいことリスト30個がすらすらとすぐに書き出せるようなら、あなたの右脳は健全。
 でも一生懸命考えなくてはいけない、というときは、かなり左脳にシフトしているようです。
右脳は感情と関連し、音楽やアート、創造性ともかかわりがあります。"ふと"聴きたい音楽を聴き、絵を眺めたり、というように、アートとふれあうひとときをつくるといいでしょう。
 なぜ、右脳を活性化することが必要か。
 それは、右脳が「自分らしさ」とかかわりを持っていて、右脳を活性化することで、自分らしい人生を送ることの手助けになるからです。
 2週に1度くらいは、右脳を活性化する一日をつくってみては?